前回までの話では、住宅ローンの金利を少しでも低く抑えることが、住宅ローンの利息の支払いを削減でき、そして、毎月の返済額を減少させられることについてお伝えしました。
⇒ 住宅ローンの金利を抑える方法とは?
今回は、住宅ローンの金利の2大タイプについて説明します。
住宅ローンの金利タイプは大きく次の2つに分類されています。
- 固定金利タイプ
- 変動金利タイプ
この2つのタイプは、性格的にまったく違ったタイプとなりますが、私たち住宅ローン利用者は、どちらかを選択する必要があります。
実は、この2つのタイプには、そえぞれに長所と短所があるため、住宅ローン利用者は、自分にとってどちらの金利タイプが有利なのかを考え、選択しなければなりません。
誰にとっても、どちらか片方が絶対的に有利ということであるならば、利用者のほとんどがその有利な金利を選択するわけですから、もう片方の金利タイプは存在しなくなるはずです。
どちらの住宅ローン金利タイプも存在しているということは、どちらもそれぞれにメリットとデメリットがあるというわけです。
では、「固定金利タイプと変動金利タイプのどちらが有利か?」について考えてみましょう。
固定金利タイプと変動金利タイプの違いや特徴
こちらでお伝えした内容で、住宅ローンは金利の数値によって、その後に支払う利息が大きく変わることはご理解いただけたと思います。
⇒ 消費税の増税よりも、実は怖い住宅ローンの金利
では、固定金利タイプと変動金利タイプのそれぞれについて簡単に特徴などを説明しましょう。
固定金利タイプ
固定金利タイプとは、返済期間中に金利が一定で変わらないタイプです。
住宅金融支援機構のフラット35は、全期間固定金利タイプとなっており、住宅ローンの返済期間中に世の中の経済情勢などにより、金利がどのように変化しようとも、自分が支払う利息の金利は変わりません。
つまり、金利の低いときに住宅ローンを組んで、もし、返済期間中に世の中の金利が上昇しても、自分の住宅ローンの金利には影響はなく、もちろん余分な利息を支払う必要もありません。
しかし、逆に世の中の金利が低くなっても、自分の住宅ローンの金利は下がることにはなりません。
変動金利タイプ
もうひとつのタイプの、変動金利タイプは、自分が組んだ住宅ローンの金融機関の金利の変化によって、住宅ローンの金利も変化するタイプです。
変動金利は、一般的に半年ごとに見直され、年に2回の変動があることになります。
金利が見直されても、一定期間中は、毎月の返済額は変わりません。
では、何が変わるかというと、毎月の返済額の中の、元本と利息の割合が変化します。
もし、金利が下がれば、元本の支払い分の割合が大きくなり、逆に、金利が上がれば、利息分の割合が大きくなるようになっています。
毎月の返済額が見直されるのは、一般的に5年ごととなっています。
5年ごとに、元本の残額と金利によって、毎月の返済額が見直されるというわけです。
このとき、心配されるのが、もし金利が大きく上昇して、毎月の返済額が払えないほどになってしまうのでは?ということです。
そんなことになっては、住宅ローン破綻ということになりかねませんので、ほとんどの金融機関では、金利がどのように上昇しても、以前の毎月の返済額の1.25倍以下になるように設定されます。
つまり、毎月の返済額が見直される前の毎月返済額が8万円だったとすると、毎月返済額は最大で、
8万円 × 1.25 = 10万円
という計算となります。
これを「激変緩和措置」と言います。
※「激変緩和措置」は元金均等返済の場合には適用されないので注意が必要です。
では、金利が1.25倍以上の上昇があったとしたら、毎月の返済しない分はどうなるのでしょうか?
払わなくてもいいの?
いえいえ、そんなことは決してありません。
この払っていない利息のことを「未払い利息」といいますが、必ず清算しなければなりません。
未払い利息の清算方法には、住宅ローンの返済期間終了後に一括清算する方法や、未払い利息が発生した翌月に前月の未払い利息を清算する方法など、その他にもいくつかの方法があるので、住宅ローンを組んだ金融機関に相談することになります。
固定金利タイプと変動金利タイプのどちらで借りる?
結局、固定金利タイプと変動金利タイプのどちらで借りると良いのでしょうか?
一般的に、固定金利タイプと変動金利タイプを比較してみると、ほとんどの金融機関で、固定金利タイプの方が金利が高く、変動金利タイプの方が低く設定されていることがわかります。
その理由は、金融機関が自分たちの都合で決めているからです。
金融機関にとっては、固定金利タイプの方がリスクが高くなります。
なぜなら、低金利のときに、あまりに金利を低くした固定金利タイプにすると、世の中の金利が上昇したときに損をするからです。
それに対して、変動金利タイプは、世の中の金利にほぼ合わせた金利で見直しをするので、金融機関にとってリスクはありません。
では、私たちにとってはどうでしょうか?
固定金利タイプは、将来金利が大きくアップしたとしても、自分の住宅ローンには影響がないので安心です。
その代わり、金利が下がってもその恩恵を受けることはできませんし、住宅ローンを始める時点で変動金利タイプよりも高金利となっています。
変動金利タイプは、低金利の時代に住宅ローンを組んでも、将来的に金利が大きくアップするかもしれないリスクがあります。
そのような場合には、5年ごとに見直される毎月の返済額が家計の負担になる可能性があります。
激変緩和措置があるとはいえ、未払い利息が重くのしかかる状況にるかもしれないリスクがあるわけです。
これは、そのときの世の中の経済状態や、利用者の借り入れ金額や返済期間、そしてライフプラン(生活設計)などによって、様々なシミュレーションを行うことで、ベストな方法を考えなくてはなりません。
ベストな方法を見つけるためには、まずは、ネットの住宅ローン一括比較サイトなどで資料を揃え、それをもとにファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
住宅ローン一括比較サイト【住宅本舗】
以上、今回は「固定金利と変動金利 どっちがいい?」でした。
次回は、「住宅資金計画のよくある失敗例とその原因とは?」です。