自分の人生の中で、自分の家を持つ(マイホーム)のがいいのか、それとも賃貸(アパート、マンション、住宅)で暮らすのがいいのかを考える人は多いです。
どちらが良いとか悪いとかは、誰にも判断ができないことだと思います。
例えば、都会で窮屈に暮らすよりも、郊外の一軒家で家族とのんびりした生活を送りたいと考える人にとっては、マイホームを持つことも良いでしょう。
例えば、一軒家を建てることはとても無理な都心の駅近くで生活がしたい。さらに、ときどき引っ越しをして、いつも新しい建物で暮らしたいと考える人にとっては、賃貸を選択する方が良いともいえます。
つまり、自分や家族がどのような場所でどのような暮らしをするかによって、持ち家にするのか賃貸にするのかのどちらが良いのかを判断するべきでしょう。
とはいえ、費用で比較して参考にしてみたいという方もおられるでしょう。
当サイトでは、注文住宅で家を建てる方向けの情報をお届けしています。
ここでは、注文住宅で家を建てた場合の住宅ローン(持ち家)と賃貸でのお金に関しての計算を行って、費用比較をしてみたいと思います。
「月々が家賃並の返済で新築一戸建てを持てます・・・」という広告を参考に考えてみます
新聞の折込チラシを見ていると、一戸建て住宅関係のチラシに「月々が家賃並の返済で新築一戸建てを持てます」というような文言を見たことはありませんか?
例えば、「月々の返済78,600円(返済期間35年)」というような物件があったとして、持ち家と賃貸の比較をしてみましょう。
※ボーナス払いは0円とします。
※単純計算をするために、それぞれの諸費用や別途料金などは、ここでは考えないことにします。
35年間の総支払額
持ち家であっても、賃貸であっても毎月78,600円を35年間支払った場合の総額を計算してみましょう。
78,600円×12ヶ月×35年=33,012,000円
約3,300万円を払うことになります。
賃貸の場合
賃貸の場合は、35年間で3,300万円を払って、その後ももちろん家賃は払い続けなければなりません。
もちろん自分のものになるものは何もありません。
持ち家の場合
月々78,600円を住宅ローンの返済額とすると、35年ローンではいくらの家を建てることができるのでしょうか?
ここでは、全期固定金利型のフラット35で住宅ローンを組むことで考えてみます。
住宅ローンの融資条件を次のように考えたとします
・毎月の返済額:78,600円
・返済期間:35年
・融資金利:1.5%
・返済方法:元利均等
↓↓↓ 概算
・借入可能額(家を建てる費用):2,567万円
・利息:約733万円
・総支払い額:約3,300万円
2,567万円を家の建築費用にあてることができます。
35年間の返済期間が終わり、住宅ローンの完済後は、家と土地はすべて自分のものとして残ります。
もちろん、家のメンテナンス修繕費用やリフォーム費用などは必要になりますが、何も残らない賃貸と比べれば、かなり有利と考えてもいいのではないでしょうか?
ちなみに、毎月の返済が78,600円の返済負担率を年収が400万円の人で考えてみましょう。
※計算式は、住宅ローンの年間返済額÷年収×100 で求められます。
※一般的に、返済負担率は25%以下が理想であるとされています。
※返済負担率が大きくなるほど返済の負担も大きくなります。
住宅ローンの年間返済額:78,600円×12ヶ月=943,200円
年収400万円の人の返済負担率:943,200円÷4,000,000円×100=23.58%
返済負担率は、23.58%という結果になりました。
理想とされる返済負担率の25%を下回っているので、まずまず良い感じといえるのではないでしょうか。
住宅ローンの返済は苦しい思いをするから賃貸の方をすすめる人もいますが
ネットで、持ち家と賃貸のどちらがいいかを調べてみると、様々な情報(解説、持論)を見ることができます。
私としては、持ち家には持ち家のメリットとデメリットがあり、賃貸にも同じくメリットとデメリットがあるので、どちらがベストなのかは、人それぞれのライフスタイルや住む環境などでまったく違ってくると思います。
しかし、賃貸の暮らしをすすめる人のブログ記事の中で、ちょっと気になることもありました。
それは、「持ち家で住宅ローンを組むと、ローンの返済に苦しむことになる可能性が高い」という意見です。
つまり、念願のマイホームを手に入れた初期の頃は住宅ローンの返済もなんとかできてよいが、子供が成長していくと教育費で生活費が圧迫され、住宅ローンの返済が厳しくなるという考えです。
さらに家の修繕費が加わると大変なことになるようなことが書いてありました。
だから、賃貸の方が良いという説です。
でも、何か疑問を感じませんか?
賃貸であっても、子供が成長すれば家賃を払わなくて済むわけではなく、家賃は同じく払い続けなければなりません。
さらに、子供が成長すると子供部屋も必要になり、広い賃貸物件を探して引っ越しをしなければならなくなる可能性もあります。
そうすると、家賃が高くなったり、引っ越し料金も必要になったりします。
さらに、子供が成長して独立したから、また部屋数の少ない賃貸に戻るという場合にも、引っ越し費用や諸々の経費が必要になります。
そんなことをしていて、賃貸の方がゆとりある生活ができるでしょうか?
もちろん、住宅ローンで賃貸の家賃よりも明らかに高い月々の返済を設定してしまった場合は、住宅ローンに苦しむことになりかねません。
しかし、今回の比較例では、賃貸の家賃並の住宅ローンの返済額で設定した場合を賃貸の家賃と比較して考えていますから、持ち家が賃貸に比べて住宅ローンの返済で不利ということはないと思いますが、いかがでしょうか?
繰り返しになりますが、持ち家には持ち家のメリットとデメリットがあり、賃貸にも同じくメリットとデメリットがあることをよく理解して、住宅ローンの組み方を検討していただけると良いと思います。
どちらがより良い選択になるかは、人それぞれのライフスタイルや住む場所の環境、そして自分や家族の思いによって決まるのであって、他人の意見は参考程度にして、あまりあてにしない方がいいと私は思います。