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住宅ローンを無理なく返済する借り入れの方法

家づくりで失敗しない7つの秘訣とコツ
家を建てる人のほとんどが、住宅ローンを利用してお金を借り入れます。
住宅ローンは家を建ててから無理なく返済していくことが、豊かでゆとりある暮らしをする上での大切なポイントになります。

ここでは、住宅ローンを無理なく返済するための借り入れの方法とコツをお届けします。

いくら返せるかを決めることがポイント

住宅ローンを無理なく返済する借り入れの方法とは、
毎月いくら返せるかをしっかりと検討すること
が大切なポイントになります。

逆に、住宅ローンで失敗したと後悔する可能性が高い借り入れの方法とは、
いくらまで借りれるか(融資限度)を考えてしまう
方法です。

では、次の表を見てください。

この表は、住宅ローンを元利均等返済で組む場合に、毎月の返済額からいくら借り入れできるかの金額の目安を一覧表にしたものです。

元利均等返済とは、毎回の返済額となる元金と利息の合計を一定とし、返済額が常に均等になる住宅ローンのことで、ほとんどの方が利用する方法です。

『毎月の返済額からいくら借り入れできるかの一覧表』の見方

一番左側の毎月返済額から、毎月いくら返済できるかの金額を決めます。
一番上の返済期間から、住宅ローンを返済する期間を決めます。
「毎月返済額」と「返済期間」が交わった場所が、その条件で借りることができる住宅ローンの総額です。
金利は、全期固定金利型(上段)と変動金利型(下段)で、利率を次のように設定しています。

  • 全期固定金利型…2.5%(上段)
  • 変動金利型…1.0%(下段)

(例)毎月の返済額を7万円とし、返済期間を30年とした場合は、

  • 固定金利型…1770万円の借り入れができます。
  • 変動金利型…2180万円の借り入れができます。

【注意】
この表の金額は、金融機関や借り入れ条件などによって違いがあります。
あくまで、参考金額の目安としてください。

毎月返済額 金利 10年 15年 20年 25年 30年 35年
5万円 2.5% 530 750 940 1110 1270 1400
1.0% 570 840 1090 1330 1550 1770
6万円 2.5% 640 900 1130 1340 1520 1680
1.0% 680 1000 1300 1590 1870 2130
7万円 2.5% 740 1050 1320 1560 1770 1960
1.0% 800 1170 1520 1860 2180 2480
8万円 2.5% 850 1200 1510 1780 2020 2240
1.0% 910 1340 1740 2120 2490 2830
9万円 2.5% 950 1350 1670 2010 2280 2520
1.0% 1030 1500 1960 2390 2800 3190
10万円 2.5% 1060 1450 1890 2230 2530 2800
1.0% 1140 1670 2170 2650 3110 3540
11万円 2.5% 1170 1650 2080 2450 2780 3080
1.0% 1260 1840 2390 2920 3420 3900
12万円 2.5% 1270 1780 2260 2670 3040 3360
1.0% 1370 2010 2610 3180 3730 4250
13万円 2.5% 1380 1950 2450 2900 3290 3640
1.0% 1480 2170 2830 3450 4040 4610
14万円 2.5% 1490 2100 2640 3120 3450 3920
1.0% 1600 2340 3040 3710 4350 4960
15万円 2.5% 1590 2250 2830 3340 3800 4200
1.0% 1710 2510 3260 3980 4660 5310

実は、私も大失敗しかけた住宅ローンの借り入れ方

住宅ローンには、借りる人の年収に応じた融資限度額が設定されていることが多いです。

融資限度額の設定がある理由は、融資側(貸す方)が、それだけの年収があれば、返済可能であると想定できる金額で、融資側にとって都合のいい考え方です。

自分が返すことができる金額と自己資金で理想の家づくり

また、ハウスメーカーや工務店などの注文住宅建築会社にとっては、施主に住宅ローンの融資限度額の上限ギリギリまで借りてもらうことで、より高い家を売ることができるので、そのような新築プランを提案してきます。

それに対して、私たち施主は、「せっかく借りれるのなら、借りれるだけ借りて理想の家を建てよう」と考えてしまうことになってしまいます。

「失敗した! 住宅ローンで無理をしすぎた!」
と分かるのは、実際に家が完成して暮らしはじめ、月々の住宅ローンを何回か払っていくうちに、「生活が楽じゃない、将来が不安だ」と感じてくる頃です。

・・・実は、私もそのような目に合いかけた一人です。
私が危うく大失敗しかけたのは、家づくりを始めたばかりの頃に、住宅展示場行き、某ハウスメーカーのモデルハウスを見て、融資限度額ギリギリの住宅ローンを組みそうになった経験です。(詳しくはこちら
そのときは、ハウスメーカーとの契約寸前で考え直すことにしたため、その住宅ローンは組まずに済みました。
そして、資金計画をじっくりと時間をかけて練り直し、しっかりとした予算をたてることで、満足できる家を建て、ゆとりある暮らしをすることができたのです。
さらに、毎月の返済に余裕のある住宅ローンを組んだことで、繰り上げ返済をすることができ、当初30年の予定の返済期間を約9年間短縮することができました。
もし家づくりのはじめに、某ハウスメーカーの家を建てて無理な住宅ローンを組んでいたとしたら、おそらく毎月の返済が厳しく、生活も苦しいものになっていたでしょう。
もちろん、繰上返済もできず、返済期間を短縮することも不可能でした。
それを思い出し考えると、今でもゾッとするような気持ちになると同時に、資金計画を1からやり直す決断をしたことは、本当に幸いだったと思います。

しかし、住宅ローンで無理をした人の中には、住宅ローンの返済ができなくなり、家や土地を手放すことになる人も少なからずいます。

私は、自分の住宅ローンの失敗した経験からみなさんにお伝えしたいことは、
住宅ローンは、いくら借りれるかではなく、いくら返せるかという観点で検討することがが重要
だということです。

賃貸のアパートやマンションを借りて家賃を払うことに置き換えて考えてみるとわかりやすいと思います。

もし、賃貸のアパートやマンションを借りて家賃を払うとするならと考えてみると分かりやすいでしょう。
そのような場合には、毎月の家賃がいくらくらいの物件にするかを決めるはずです。
家を建てるときの住宅ローンの返済額も、毎月いくらの返済額なら大丈夫ということから考える方が安全に決まっていますね。
例えば月々の返済額が6万円なら大丈夫だとしたら、上の表から毎月返済額が6万円の行を見てみましょう。
1680万円(返済期間35年固定金利型)のお金を借り入れできますから、その金額に用意できる自己資金を足して、どんな家を建てることができるかを検討していくと、住宅ローンの返済で失敗したと後悔する可能性も低くなりますね。

【参考までに】そもそも住宅ローンはいくらまで借りられる?

さて、ここまで、住宅ローンを無理なく返済する借り入れの方法についてお届けしました。

ポイントは、家を建てた後に、豊かでゆとりある生活ができるであろうと想定した、住宅ローンの毎月の返済額を決めることでした。

では、参考までにですが、そもそも住宅ローンではいくらまで借りることができるという目安についてもお話しておきましょう。

ここでは、住宅ローンではメジャーのフラット35(民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供されている長期固定金利住宅ローン)で考えてみることにします。

フラット35では、融資限度額を年収に占めるすべての借入れの返済額の割合(=返済負担率)が、次の基準以下としています。

年収400万円未満400万円以上
返済負担率の基準30%以下35%以下

例えば、年収が500万円の人の場合は、返済負担率の基準が35%以下ですから、1年間に借りることができる金額は次のように計算できます。

500万円×35%=175万円

つまり、175万円が年間返済額の上限になるわけです。
では、175万円が月々の返済額にするといくらになるか計算してみましょう。

175万円÷12ヶ月=約14万5800円
となります。

では、この上にある表で毎月の返済額を14万円としてみてみましょう。

返済期間を35年としてみると、

  • 固定金利2.5%の場合…3920万円

すごい金額ですね!

しかし、当サイトをここまで見ていただいた、賢いあなたなら、こんな住宅ローンは絶対に組むことはしないですよね。

参考までに、固定金利を2.5%として、年収に応じた住宅ローンの融資限度額を返済期間別で一覧表にまとめてみました。

年収月返済額10年15年20年25年30年35年
300万円7万円74010501320156017701960
350万円8万円85012001510178020202240
400万円11万円117016502080245027803080
450万円13万円138019502450290032903640
500万円14万円149021002640312034503920
  • 融資限度額の単位は「万円」です。
  • 年数は、返済期間です。

以上、「そもそも住宅ローンはいくらまで借りられる?」についてのお話でした。

くれぐれも、融資限度額は参考金額としてください。